ネパールde浦島太郎
10年半の日本生活を終え、帰国した(元)留学生の記録。
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dipsky

Author:dipsky
10年半の日本生活を終え、
ネパールに戻って参りました
シャキャ・ディプです。
専門は教育社会学ですが、ここでは
日々のネパールでの奮闘を記録しています。

Email: dipskyjp@gmail.com

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差別社会
久しぶりの投稿。ツイッターは何だか飽きてきた。たぶん、皆に知らせたいほどのニュースがないからかも知れない。制憲議会の期限が近づくに連れ、面白くなるかもしれない。今のネパール政治は締切を待って暢気にしているといった感じだ。現在、議会で国家予算について審議中だが、一波乱ぐらい起きるかも知れない。
とにかく、ネパールで暮らしていると自分主体の意識に変わり、まず自分の身の周りのことが優先で、社会で起きていることなど自分の基本的な生活ニーズが充たされてから話せるものだ。電気、水、燃料など基本的な生活ニーズを確保するのに一苦労のネパールである。でも結局、社会問題が自分の生活に影響しているのは確かなのだが・・・

前置きが長くなってしまったが、以前から書こうと思っていたネパールという差別社会について若干思うことを綴っておきたい。というのも、本日あることがあって、この「差別社会」について強く認識させられた。まぁ、ブログで書けるようなことではないが。

ネパール階級社会であることはよく知られている。カースト制度が複雑に存在しており、法律的に禁止されているものの、慣習としては根強く残っている。都心部を中心に徐々にこのような慣習もなくなりつつあるのは確かだが、完全に無くなるまでは相当の年月がかかりそうだ。例えば、都心部では異カースト間の結婚は盛んであるが、結婚以降の親戚づきあいが悪化するケースが多い。また、異カーストとの結婚で葬式などを行う講集団から脱退しなければならないような民族もあったりする。
結婚と関係なく、日々の生活でできるだけ接しないようにする不可触民への差別や上位カーストから低位カーストへの差別についてはよく知られていることだ。
少し具体的に実体験を書くと、低カースト・地位の日雇い労働者にお茶を飲ませる際にまるで彼・彼女が非衛生的かのように専用コップを用いるとか、自分はミネラル水を飲んでいるのに、彼・彼女らには非衛生的な水道水を飲ませるとか、ごはんを食べる場所が違うとか・・・色々あります。
ちょっと年配の方だと、いくら若くても上位カーストの人に頭を下げる慣習もあったりする。僕も、先日60代ぐらいの方(知人)に、頭を下げられてかなり戸惑った。最初はびっくり仰天で本当に頭下げられているのかと信じがたかったが、二回目はしっかり挨拶付きで。彼からの「敬意」だそうだ。貴重な経験だ。都心部でこのような慣習であれば、農村部ではもっと厳格かも知れない。自分が上位カーストだから何!?と10年間の日本生活で思ってしまったが、多くのネパール人にとってはそれが重要なことを意味する。

軽くネパールの古典的な差別社会について書いてきたが、現在ネパールでは新たな階級が存在する。学歴だ。自分がどこまでの学校教育を受けたかが重要視されるようになってきている。例えば、先日やっと日本から全ての荷物が届いたのだが、受け取りの際、荷物の中身を学位を得るための本や日本で暮らしていた時の衣類と申告したらあまりチェックもせずに本は無課税(基本的に30冊以上は課税)、衣類は一着20ルピーぐらいで申告した適当な数で済ませてくれた。一方、同じような感じの荷物をあまり「学歴が高くない」しかも「女性」が受け取りにいけば恐らく全て詳細に調べ出来る限り巻き上げるだけ巻き上げるのが筋である。実際、そのような場面に出くわしたが、さすがに僕が彼女の学歴を知るわけではない。とにかく、自分が「学位」があるから優遇されたのだなぁと感じた。その他「学位」という名前を聞いただけで、「先生」といいながらペコペコしてくる人も少なくないネパールである。(ただ、僕の名前がニックネームっぽいので、「先生」と呼ぶのは結構大変そう。苦笑)

というわけで、なんだかんだ自分の専門分野に話がなってきてしまったが、結局「学歴」を得られるためには相当な資金が必要であり、現在のネパールの教育は従来の階級制度の再生産する機能を果たすように形成されていっていることを実感する日々である。

「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」と日本でも言われているが、日本での最近の某大臣の騒動をみてもどうやら世界のどこでも人間自身が「上下関係」をつくって生きるのが心地よいみたいだ。


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コメント
思い出したこと
今日のブログを読んで、パッと頭に浮かんだ情景がある。それは、昨年のネパール旅行の際、帰国時に空港で、荷物チェックを受けていた時の出来事である。わたしの後ろに並んでいたネパール人の女性が、(別段疑念をもたれるような感じではないにも関わらず)すべての荷物を(いじめるためにとしか思えないような執拗さで)調べられていたことである。「学歴が高くない(と思われる)」しかも「女性」が、詳細に調べられるターゲットになっていた場面に、まさに、出会っていたのだと、今気付かせてもらった。
[2011/07/10 00:26] URL | やかちゃん #- [ 編集 ]


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